埼玉県高校入試 問題の分析

2016年度の県公立高校入試の出題方針は、

①中学校の平素の学習を重んじ、学習指導要領に基づいて出題②基礎的な知識や技能をみる問題と共に思考力、判断力、表現力などの能力をみる問題の出題に配慮③各教科の目標に照らして受験生の学力を十分に把握できるようにし、出題内容や出題数に配慮するとともに、記述による解答をもとめるように配慮としている。

各教科100点。5教科の大問数は計25問、小問数は計143問。県教育局による5教科の予想平均点の合計は263点で、前年度より2点増。教科ごとの予想点数は次の通り。

国語58点・数学50点・社会55点・理科50点・英語50点

国語

出題方針

基礎、基本的な内容について広範囲にわたって出題し、適切な表現力や正確な理解力をみるよう努めた。

大問1は登場人物の心情や言動の意味を的確に捉え表現する力、大問2は基本的な漢字の読み書きや文法力、語彙(ごい)力などをみた。

大問3は説明的な文章への正しい理解力、大問4は古典に表れたものの見方や考え方を捉える力をみようとした。

大問5は資料から読み取れることを基に自分の考えをまとめ、目的や意図に応じて適切に文章を書く力を求めた。

読解は対比構造注目

サイエイスクール 梅本倫太朗 講師

梅本倫太朗 講師

大問数や出題形式は例年どおりであった。

大問1は小説の読解。はっちと赤緒の過去のわだかまりがとけていく過程を読み取ること。問1は、傍線①直前の「巨大なリュックサック」、「大ぶりのカメラバッグ」という描写が手がかり。問2は、傍線②で「わからんって……すげぇな」、後に「その種の冒険心は高杉にはない」とあるので、はっちの行動で感心できる点を傍線直前から押さえてまとめる。問3は、「そのプレー姿」の「その」が高校生になってからの様子であることを確認して答える。問4は、「いい写真」であるのは「悔しさを」どうしたからなのかを本文から押さえて記述する。問5は、最後に赤緒と和解できたはっちの心情を読み取って選ぶ。

大問2は漢字、文法、熟語、敬語、慣用句・故事成語の問題。語彙の増強に努めたい。

大問3は論説文の読解。ヒトと類人猿の違いを整理しながら読めたかがカギ。問1は、ヒトが平原に移った理由を探す。問2は、傍線②の直前に「このことが」という指示語があるので、その前からヒトとほかの霊長類との違いを押さえる。問3は、傍線③直前の「これも」という指示語に注目。問4は、設問や空欄前後の語と合うように「共同作業」「前頭前野」の指定語句を含む部分を押さえてまとめる。問5は、各選択肢と本文の内容を丁寧に照合して選ぶ。

大問4は古文の読解。口語訳や注を参考に全体の文意を読み取りたい。

大問5は作文。「家庭ごみの減量」について、資料の項目に注目しつつ体験をまじえて自分の考えをまとめる力が問われる。

読解については心情の変化や対比構造を意識して読み進める訓練を積んでおきたい。

数学

出題方針

数学の基礎的な知識や技能をみる問題について、広範囲にわたって出題するように努めた。

大問1の(11)は日常生活や社会の出来事を数学と結び付けて考察したり処理したりすることができるかをみた。

大問2の(4)は図形に関する問題で、正四面体を切断してできた立体を考察して三角すいの体積を求めた。

大問3は図形について見通しをもって論理的に考察し表現できるか、大問4は図形や関数について総合的に考察することができるかみようとした。

表現力付ける学習を

サイエイスクール 湯浅 祐紀 講師

湯浅 祐紀 講師

問題数は、大問が4題、小問が20題で昨年の出題数と同じであった。

大問1は、中学校で学習する単元の基礎的な問題が中心で、11題の小問からなる。(11)の②は箱入りのハニードーナツにおまけがつくことを考慮し、合計40個になる買い方を探せばよい。

大問2は確率、作図、円周角、空間図形の4題からなる。(3)は円の中心と点Cを結び、二等辺三角形を作ればよい。(4)は面BCEと辺AEが垂直になるため、それぞれ底面・高さとして体積を求める。

大問3は毎年頻出の紙を折る問題であった。(1)は証明問題。△AEGと△AFBの合同を示すか、あるいは△AFEが二等辺三角形となることを利用する。(2)は△ABFに三平方の定理を用いてBFの長さを求め、さらに△AHDと△FHBの相似、△EIDと△FIBの合同を利用する。それぞれ面積を求めるよりも、底辺の比から面積の比を求める方法を用いるとよい。

大問4は放物線と直線からなるグラフの総合問題であった。(1)は2点A、Bの座標から直線の式を求めればよい。(2)は四角形を△AOBと△ABCに分割し、それぞれ面積を求めて合計する。(3)は面積の等しい三角形をつくる問題。辺PBが共通であることから、直線AOと直線PBが平行になるように点Pの位置を定めればよい。

過去3年間で数学の問題は平易になってきており、平均点も上がっている。今年も極端な難問は見られなかった。しかし、大問1(11)②や大問3(1)、大問4(3)のような表現力を必要とする問題を正答するためには、日頃の学習でも解答を求めるだけではなく、求め方を正しく記述・説明する習慣をつけておきたい。

社会

出題方針

地理、歴史、公民の相互連携を図り、基礎的な知識や技能とともに思考力、判断力、表現力などをみた。

大問1では日本や外国について調べる学習場面を想定し、地図や統計資料を読み取る力、大問5もテーマを設定して調べる場面を想定し、日本の政治や経済などに関する基礎的な知識とともに資料の活用力を試した。

大問6は3分野の総合問題。北陸新幹線沿線の地域に関連する問題を出し、米騒動や市場の働きと経済などを問う項目を盛り込んだ。

世相を反映した問題に

サイエイスクール 山口 雅弘 講師

山口 雅弘 講師

本年度の入試問題は全般的に昨年度と大きな変化はないが、部分的な変更点が見られた。

一つ目は、記号問題と記述問題の完答形式が各分野で出題されている点。二つ目は、大問6の総合問題の分野別配点が、昨年度に比べて歴史の配点が多かった点である。

地理分野では、配点には大きな変化はなく、世界地理では、大問1の問2で緯度・経度から座標を求める問題が、日本地理では大問2の問4(2)で季節風の風向きから防風林の配置を考える問題が新傾向であった。

歴史分野では配点には大きな変化はなかったが、出題形式が従来のパネル形式から地図と資料の融合形式に変化した。

大問3の問1(2)は、稲荷山古墳出土の鉄剣と中国の皇帝への手紙から日本と中国の関係がどのようなものであったかを問う問題であった。近年出題が少ない時代であったため、とまどった受験生も多かったかも知れない。大問4の問4は、柳条湖の位置を地図上で指し示す問題であった。正確な位置を聞かれるため受験生には正答しづらい問題であった。

公民分野では新傾向として裁判員制度について出題された。また、参議院選挙・税・財政政策など近年の世相を捉えた問題が多く出題されているのが特徴的であった。

総合問題では、歴史分野の配点が昨年度より多かった。また、北陸新幹線開通に伴い、中部地方からの問題が出題された。

全分野、教科書・資料集から広く出題される傾向があるため、受験対策として、日ごろから基礎的な内容をしっかり押さえておく必要がある。また、時事問題に普段から興味関心を持ち、関連する分野についても押さえておくとよい。

理科

出題方針

大問1は理科の基礎、基本的な知識や技能を習得しているかを見た。

大問2.3は第2分野からの出題。3は「自然と人間」の項目を主体に生物的領域と合わせ、自然界における生物相互の関係などを理解しているか問うた。

大問4.5は第1分野からの出題。4は科学的領域から水溶液の性質を調べる実験を通して、電解質水溶液と金属板で電流が取り出せることの理解を試した。

5は物理的領域から光の進め方を調べる実験を通じ、光の規則性の理解をみようとした。

実験や図表から考察

サイエイDuo 家成 雄次 講師

家成 雄次 講師

昨年と同様に大問は全部で5題であった。

大問1は小問が8題で、ゼニゴケの雄株を選ぶ、電磁誘導、同じ気体が発生する実験を選ぶなど、すべて一問一答の問題だった。

大問2は天気に関する問題。問2・3は、グラフから、気温と湿度を読み取り、水蒸気量を計算できるかを問われた。

大問3は生物どうしのつながりに関する問題。問4は、草食動物が増えることで、肉食動物と植物にどのような影響を与えるかを考える。

大問4はイオンに関する問題。問5は、化学電池の仕組みを考え、亜鉛から放出された電子が『モーターを回す』、『水素イオンに渡されて水素が発生する』の2点について記述する必要がある。

大問5は光に関する問題。問3は、表から『光源~凸レンズ』と『凸レンズ~スクリーン』の距離を読み取ることができれば、正答できる。また、問5は、凸レンズを通る光は、水中の方が空気中よりも『曲がりにくい』ことから、焦点距離が長くなることに気づけば記述できた。

教科書を隅々まで読み、用語、実験・観察の結果や理由、現象の説明などの学習をしっかりしておくことが必要である。また、今年度の問題は、実験結果や図表から考察する問題の難易度が高く、問題数も多くなっている。日頃から実験結果や図表を見て、なぜそうなっているのかを説明する練習をしておくとよい。中学3年間で学習した単元が大問1~5の中にほとんど出題されており、3学年分の全範囲をしっかりと学習しておく必要がある。

英語

出題方針

基礎的な知識や技能をみる問題について、コミュニケーション能力をみることを重視。

リスニングテストでは、まとまりのある英語の話を聞き、概要や要点を聞き取れるかに重点を置いた。

大問2.4はまとまった長さの英文を読んであらすじや大切な部分を読み取ったり、流れに合うよう空欄を補う語を答えさせたりする内容。

大問5はまとまった内容の文章を5文以上の英文で書く問題「like」を使うという条件に従い、自分の考えを適切に表現できるかをみた。

対話応対力が中心に

サイエイスクール 浅川 由貴子 講師

浅川 由貴子 講師

全体の出題形式および問題数は例年通り。また、使用される語彙、難易度も昨年度と変わりなかった。

大問1はリスニング問題。設定された場面でのやりとりが出題の基本となっている。場面を表す語句を中心に全体の流れを把握することが重要である。設問をヒントに該当する箇所を見つけると効果的。

大問2は駅で会った外国人との会話をテーマとした短文。問4は疑問詞を用いた質問に対して英語の記述で答える問題。今年度も指示語が指している内容を抜き出す形で出題された。

大問3はロボットを生活の中で活用することについて話した二人の会話文。問5の意見の受け答えとしてagreeを答える問題など、質問・会話の受け答えが出題の中心だった。

大問4はウナギと環境問題を題材にした文章。内容はやや難しいが、過去問題を練習し傾向を確認していた受験生は解き易かったのではないか。問2の二人の会話の場面を見つけ、考えを日本語でまとめる問題や、問3のwhyの質問の答えとして、そうなった気持ちの理由を英語で答える問題の出題ポイントは例年通り。問4(1)excitingは主述の関係から、excitedと混同しないこと。findをlook for ~に書き換えさせるなど、基本的な熟語を覚えているかもポイントだった。

大問5の条件英作文は「どの月が好きか」という〔質問〕に対して、〔条件〕に従って自分の考えを述べる形式。昨年度よりさらに自由度が増し、書きやすくなった。

全体として、単語・熟語が書けるかを問う問題や疑問詞の受け答えの出題が多く、基礎・基本を繰り返し練習しておく必要がある。

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