令和7年度 埼玉県公立高校入試【総括】

令和7年度 埼玉県公立高校入試【総括】

国語 平澤 英樹講師

「問題を解くために意識的に文章を読めているか?」が高得点への近道

国語講師

国語の大問構成は昨年度とほぼ同様であった。

大問1は小説の読解

高校三年生の「私」(高村夕)が、左手の怪我で合唱コンクールのピアノ伴奏を担当できなくなってしまった場面から始まる。

問1は美貴の「『今まで色んなものを夕に任せ過ぎてたんや。・・・夕ほど上手くはないけど・・・』」「『じゃあ、夕に指導してもらいながら、私がやってみせる。』」という会話文を手掛かりに選択肢を選ぶ。

問2は心情の記述問題。傍線②「そう思うと」という指示語の指し示す内容を、直前から探してまとめる。

問3は傍線③の前にある祐一先生の「『・・・卑怯な気がしたんだよ。・・・都合よく最後だけライブに行きましたみたいなのが、自分にとって許せなかった。』」「『せめて、と思って最後のシングル曲は買った。・・・』」「『これは、僕にとっての罪滅ぼしみたいなものなんだよ。・・・』」という会話文を手掛かりに選択肢を選ぶ。

問4は「後悔」「感謝」という指定語句も頼りに「私」の心情を追うと、「『・・・だから私は、高校最後に同じクラスになったみんなへの、大きな感謝をのせて歌おうと思ってます。』」「・・・私は今すごく恥ずかしいことを言ってるんじゃないかと思った。・・・でも今、そんなことを気にして何も言わずにいたら、きっと後悔する。」が見つかる。この2か所を空欄前後の内容に合うようにまとめる。

問5は内容や表現に関する選択肢問題。「適切でないもの」「二つ」という条件を見落とさないようにしたい。

大問2は知識事項や言語能力を問う問題

漢字の読み書き、動詞の活用形、敬語、話し合いの様子に関する問題が出題された。

大問3は論説文の読解

プナン社会におけるリーダー「ビッグマン」について述べた文章。

問1は、傍線①について適切なものを選ぶ問題。「その場その時に生まれるリーダー」とは直後の文にもあるように「ビッグマン」のことを指す。さらに後を読み進めると「どのように選ばれるかというと・・・」と「ビッグマン」の選出方法の記載があり、「プナン社会の根本原理『ケチはダメ』、『寛大であるべき』を最も実践する人物こそが、ビッグマンなのです。」という文章を手掛かりに選択肢を選ぶ。

問2は条件文の空欄前後の表現「・・・『私たち』が使う『ありがとう』のような」や「・・・と考えられている。」も根拠に、傍線直前の具体例の箇所から解答を探す。

問3は傍線③「その意味で」の指示語が指し示す内容を、直前から探して選択肢を選ぶ。

問4は「ビッグマン」の振る舞いに関する問題。傍線④「蓄財」という言葉に着目し、前の段落にある「・・・実際に蓄財や貯金が行われると・・・ビッグマンは『持つ者』になり・・・『持たざる者』とのあいだで格差が生まれることになり、平等主義の原理が崩れてしまう可能性が生まれます。」という内容と照らし合わせて答える。

問5は「実践」「監視」という指定語句、条件文の空欄直後の「・・・を防いでいる」という語句も根拠に、解答の材料を探してまとめる。

大問4は古文の読解

歴史的仮名遣い、傍線部の理由説明、主語把握、内容理解などについて問われた。問2は「あをやぎの」という言葉を受けての動作であることに着目。(注)に「あをやぎ」は「春に新芽を出した柳」と説明があること、そして、第2段落冒頭の「大臣、秋のはじめに・・・」から、場面が「秋」であることをふまえた解答の作成が必要。

大問5は作文

「日本の食品ロスの発生要因の内訳」について、資料をもとに自分の考えや体験を書くものであった。「注意」を確認して、条件を守って書くことが重要である。

国語の文章問題においては、小説では心情や場面の変化、論説文では、話題や筆者の主張などの全体像をつかむことが大切である。論説文は一文一文をじっくり読んでいては制限時間内に解き切れない可能性がある。日頃から「文章の要点」を意識しながら読み、速く正確な読解を心掛けるとともに、それを可能にするための武器である語彙力の増強に努めたい。

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数学(学力検査問題) 瓦井 皓也講師

基礎力の定着が高得点へのカギ!

大問数に変化はなく、昨年よりやや解きやすい問題が多かった。

数学講師

【大問1】計算問題・小問 16問(65点)

配点は65点と昨年同様に高く、例年通り中1から中3までの計算問題及び小問集合だった。素早くかつ正確に処理し確実に得点したい。(11)(15)(16)は学校選択共通問題。(10)は、同じ弧に対する円周角がポイント。三角形の内角や外角の関係を利用する。(11)は四分位数に関する正誤判断の問題。用語の意味が分かっていれば難しくない。(12)は三平方の定理を利用して立体の高さを求められるかがポイント。(13)は確率の計算。分数を小数に直して考えると判断がしやすい。(15)は2つの自然数を文字式で表し方程式を立てる問題。(16)は「相対度数」に関する記述問題が出題された。相対度数の数値を求め、数値を比較すればよい。
大問1の出題範囲は幅広いが基本的な問題の集合のため取り組みやすかった。

【大問2】作図・図形の証明 2問(11点)

(1)の作図は基本的な円の接線の問題。(2)は「図形の証明」。相似の知識を利用し、平行四辺形になるための条件を示す問題。学年をまたいだ図形の知識が必要なため、難度の高さを感じた受験生は多いのではないか。

【大問3】規則性(学校選択共通問題) 3問(14点)

会話文の中の表より、規則性を見つけられるかがポイント。(1)と(3)は規則性さえ見つけられれば解答が導ける問題となっていた。(2)は文字式を使用し説明する問題。説明自体は、難度は高くないが、文字式で表すことができるかがポイントであった。

【大問4】関数と図形 2問(10点)

(1)は放物線と直線の交点を求める問題。平易な問題ではあるが、分数の計算が伴うので、計算ミスに注意が必要。(2)は学校選択問題大問4(3)と同様に、座標を文字式で表し、面積が等しいことから方程式を立て座標を求める問題。難度は、学校選択問題より低いが、解答までの計算も複雑なため、苦しんだ受験生も多かったのではないか。

基本的な問題が多く出題されており大問1でどれだけ正答できるかが高得点へのカギとなる。各中学校の定期試験の勉強はもちろん、数学検定などで様々な問題に取り組み、中学3年間を通して日々の学習で基礎力を高めていくことが、入試での高得点につながると言える。

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数学(学校選択問題) 萩原 麻美子講師

時間配分との勝負!

学力検査問題同様、大問数に変化はなく、昨年よりやや解きやすい問題が多かった。

数学講師

【大問1】計算問題・小問 10問(45点)

(1)~(3)は多項式の加減・平方根の計算・二次方程式という定番の構成。複雑な計算を避ける方法は過去の出題と同様なので練習が必要。(4)(5)(10)は学力検査共通問題。(7)は切断した立体の体積を求める問題。正四面体の体積を求め、高さが等しい2つの立体の底面の面積比を利用し求める。解答までの手順が多く難度が高い。(9)はおうぎ形と三角形の面積の組み合わせでかげをつけた部分の面積を求める問題。直角二等辺三角形の辺の比を利用して、各部分の長さを求めると良い。

【大問2】作図・証明 2問(13点)

(1)は作図の問題。題材は学力検査問題と同じであるが、条件を変えて難度を上げている。(2)も題材は学力検査問題と同じであるが、図形の性質から平行四辺形であることを証明することに気付かなければならない。学力検査問題に比べ、やや難度が高い。

【大問3】規則性(学力検査問題共通問題) 3問(14点)

【大問4】関数と図形 3問(16点)

(1)は学力検査問題共通問題。(2)は回転体の体積を求める問題。点Aからx軸に下ろした垂線が半径となり、大きな円錐の体積から小さな円錐の体積を引いて求める。(3)は、座標を文字式で表し、面積が等しいことから方程式を立て座標を求める。

【大問5】空間図形 2問(12点)

(1)は円周角の定理と三平方の定理より線分の長さを求め、長方形の面積を求める問題。(2)は難問。立体の切断面で補助線を多用し、3辺が文字式で表される直角三角形で球の半径を求める問題。

昨年と比べると比較的解きやすい問題が多かった。ただ、複数の単元の知識を必要とする問題が散りばめられているので柔軟な発想力と直感力が必要である。また、解答までの計算が複雑なものが例年より多かったので、速さの伴った正確な計算力も必要である。限られた時間内で、「できる問題」をミスなく確実に正答することが高得点へのカギとなる。日頃の学校や塾の授業を大切にし、数多くの問題を解き、経験値を積むことが大切である。

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社会 髙﨑 晃講師

教科書やテキストの熟読と過去問題集のやり直しが高得点を得られるカギ

社会講師

出題範囲

範囲の変更はなく例年と同じ形式で出題された。三分野の配点は地理30点、歴史33点、公民23点、三分野総合14点であった。基礎力を重視しつつ、資料を読み解く問題に対応する力が求められている。

出題形式

【大問1】世界地理

すべての問題が資料を使った問題であった。したがって、資料を正確に早く読み取る力が必要である。特に問3、問4では知識がなくてもグラフを正しく読み取ることができれば解ける問題であった。問3は、問題文より「……外国人人口がどのように変化しているか」より増加している傾向を読み取り、どの地域から集まってきているのかを探ればよい。問4は、生産量をもとに丁寧に計算すれば問題ない。

【大問2】日本地理

例年と同様に大きな変更はなかった。大問1同様にすべての問題が資料を読み解く問題であった。問2、3は定番である雨温図の問題、各都道府県における産業の特徴を問う表の読み取り問題が出題。問5も昨年からに引き続き、「野外観察(フィールドワーク)」を行った地点の写真から、その実地点を地形図から探す問題で、写真の下に記載された場所を示すキーワードが解答へのカギとなっており、そのキーワードを基に実地点を探す形式であった。

【大問3】江戸時代までの歴史

問1は空欄補充問題。国語の文章題のように前後の内容から選択肢をしぼる問題であった。社会的な知識に加え、国語的読解力も必要な問題であり、今後このような問題の出題が増えると考えられる。問2~4では各時代にどんな出来事があったのか、世界史や文化、農業、工業、商業の時代別特色をふくめて正確に覚えておく必要がある。

【大問4】江戸時代(幕末)から現代までの歴史

問3は、政党政治の成り立ちについてステップチャートを用いてまとめていく問題であった。ステップチャートとは、ものごとの順序を考えたり、手順を計画したりするときにも役立つ思考ツールの一つで、歴史のまとめノートを作成する際に役立つ。今回は、「米騒動」と「普通選挙法」を入れて完成させる問題であった。一つの出来事を覚えるのではなく、一つの出来事に対しての因果関係をも含めて覚える必要がある。また、問2の「条約によって日本が得た半島の名前と位置」のように明治から戦前までの期間でおきた事件や条約で関係する場所(遼東半島、山東省、満州、南京など)は必出の問題なので必ず覚えよう。

【大問5】公民

7問中3問が正誤を問う問題であった。「国会」「裁判所」「地方自治」の単元で政治分野の内容であり、正誤問題は主に選択肢の中から正しいもの、正しくないものを選ぶ。「問2 イ 内閣総理大臣の指名で、参議院が衆議院と異なった議決をした場合には、衆議院が出席議員の3分の2以上の多数で再可決したとき、国会の議決となる」など選択肢の内容には細かい内容もふくまれているため、教科書の内容を正確に理解しておく必要がある。問5は「需要と供給」の問題で入試では頻出の問題である。グラフから「需要>供給」のときに価格が上がり、「需要<供給」のときに価格が下がることを理解しておく必要がある。

【大問6】三分野総合

SDGs(持続可能な開発目標)に派生した問題である。問3では選択肢の中に「ダイバーシティ」「人工知能(AI)」といった現代で使われる用語が出題された。問4は「問題文を読む➝何を問われているのか➝そのために必要なグラフの選択➝そこからわかる成果を記述させる」という形式で、昨年と変わらない。過去問題にしっかりと取り組んでいた生徒は落ち着いて解けたであろう。

展望

対策としては「教科書・資料集・地図帳」で、一つひとつの用語を確認することが大切である。教科書を読み、場所は地図帳で確認、資料集で補完する。その後、学校や塾のワーク問題に取り組み、できなかった問題はあらためて解きなおすことが効果的。また資料を読み解く問題や、先述したように社会的な知識に加え、国語的読解力も必要な問題の出題数や配点は年々高まっていくと考えられる。時事問題については、日頃から新聞やニュースの内容に目を通しておくことが対策になる。

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理科 上原 健太講師

1ページあたり1問から2問 情報を読み解く力が問われる問題

理科講師

大問1

例年通りの一問一答形式で、中学3年間で学習した各単元から8問出題されている。今年度は8問中7問に図があり、問題を読む前に内容をある程度推測することができた。また、問4は並列したばねを用いた問題で、普段見慣れない問題であった。

大問2【大地の変化】

1995年に大きな被害をもたらした兵庫県南部地震(阪神淡路大震災)から30年を迎える今年、断層とプレートに関する地震の問題が出題された。この震災以降、見直しがされた地震計による計測と10段階の震度についての出題がされた。出題形式は、図や表の情報を正しく理解し、解答していく近年多くみられる傾向であった。また、問5では社会の地理で学習する「山脈」「大陸棚」をからめた問題が出題された。

大問3【微生物とそのはたらき】

菌類・細菌類の観察から、微生物のはたらきについての実験を行い、はたらきを利用する「下水処理」について広げていく問題であった。問3は実験操作に関する理由、問4は実験結果からわかることをまとめた文章の適語補充であった。理科の学習には欠かせない「実験手順とその理由」「結果の比較」「考察」という流れが身についているかを問うような出題であった。

大問4【さなざまなものの密度】

身近なミニトマトの水への浮き沈みから、湖にあるすべての水が凍らない理由の説明といった場面の切り替わりが大きい問題であった。問1、問2ではメスシリンダーでの読み取り方法から、基本的な密度の計算へと結びつけた問題であった。問4では、水、食塩水、エタノールの3種類の液体におけるプラスチックの浮き沈みの結果から、液体と物体の密度の関係が問われた。問5では、真冬の湖について、表面は凍っても底の方は凍っていないことについて、「氷によって外の冷たい空気と湖の水が接することは無い」という推測から解答していく問題であった。近年の傾向として「現象・結果から起こりうることを推測する力」が求められている。

大問5【電流と磁界】

実験室でできる仕組みを利用して、地球のまわりの磁界へと発展していく内容であった。「地球」を「電磁石」に置き換えて解く、実際に試したくなるような問題だった。

出題形式は例年通り

文章記述問題や複雑な計算問題が出題されていないため,全体を通して平易で基本的な問題が中心となっている。

大問2~5は、図表や会話文をもとに問題が構成されているため、大問1つあたり3ページ(1ページあたり1問から2問)が出題された。1ページあたりの情報は多いが、「授業場面」や「ノートの内容」「実験」「観察」で区切られているため、比較的整理しやすい構成となっていた。また、理由や仕組みなどを記述する問題が出題されており、図や表から必要な情報を読み取り、それらを「文章にして」「わかりやすく説明できる」力が必要である。また,近年の傾向として「現象・結果から起こりうることを推測する力」が求められてきている。
大問1の小問8つと大問2~5の単元を合わせると、中学3年間で学習したほぼすべての単元が出題されている。各分野、単元に偏りを作らないよう、幅広く学習することが重要である。

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英語(学校選択問題) 永井 塁講師

高い問題処理能力と幅広い文法知識が必要

英語講師

出題形式について、若干の変更があった。昨年、大問3で出題された和文記述問題が大問2に移り、大問3の要約問題が、実質的に3問から1問に減った。要約問題は正答率が例年低いため、その点では解きやすくなったと感じる受検生も多かったのではないだろうか。しかし、新たに出題された問題は、「本文の内容に一致するものをすべて選べ」という形式のため、限られた時間内で、全ての選択肢を吟味する必要があり、全文をしっかりと読みこなす力が求められる。学校選択問題を解くうえで課題となる「英文を速く正確に読み、そして素早く解答を導き出す」という趣旨は変わらないと言える。

大問1

大問1のリスニング問題は例年と大きな変化はない。例年通りすべての音声が英語による指示。全体的に解答しやすい問題が多い中、No.7 (3)では関係代名詞の目的格の省略が使われており、聞き取る力だけでなく高度な文法力も求められた。

大問2

大問2は例年通り、4つの短い文章に続くそれぞれの設問に答える【学力検査問題の大問4】と同じ内容の会話文。「LRT(次世代型路面電車)」などの公共交通機関に関する内容だった。近未来的内容でもあるので、テーマに馴染がない場合は読みにくさを感じたかもしれない。設問に関しては、問1の整序問題でbe different fromというイディオムと目的の関係代名詞の省略の融合問題が出題された。学校選択問題の整序問題では複数の文法事項や表現を融合した問題が頻出である。日頃から、色々な英文を読み、そして書く練習しておく必要がある。また、問3の英問英答問題でも、本文中では「thanks to+名詞」で書かれている文章を「because 主語+動詞」に書き換えなければならなく、本文からそのまま抜き出す形にではない点に注意したい。ここ数年定着してきた題傾向なので、令和8年度に向けても対策が求められる。

大問3

大問3は「人工冬眠」についてのエッセイ。注釈はあるものの使われている単語の難度が高い。また複雑な文法を使用するため一文が長く、内容が身近ではないため限られた時間内で理解するのは非常に難しい。語形変化の問題では初めて「名詞(life)」に関する問題が出題。問4は大問2同様、「by ~ing」で表した方法を「because 主語+動詞」で答えさせる形式だが、英検準2級・2級の二次試験で出題される形式と同様のため検定を受験している生徒には慣れた問題。問6は例年通りの2語を補充して要約文を完成させる問題で、本文に出てくる語句や表現を空欄に当てはめるためには、本文の正確な読解力と正しい英文法知識が求められる。しかし、本文の内容とは反対に解きやすい設問も含まれており、難度の差を見極め解答する問題処理能力が大問3の高得点のカギといえる。

大問4

大問4の英作文は、「中古のものを買う人が増えるか」という生活に身近なテーマ。近年の学校選択問題の英作文のテーマは、より身近なテーマで書きやすくなってきている。英検準2級や2級に挑戦したことある受検生であれば、書きやすいテーマであった。

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英語(学力検査問題) 横江 郁哉講師

総合的な文法知識と幅広い語彙力がポイント

英語講師

問題量や難度は昨年とほぼ同様。中学3年間で学習する文法単元と語彙が幅広く出題されている。過年度の問題をしっかりと解きこなしてきた受検生なら、大きな問題もなく対応できたのではないだろうか。

大問1

大問1のリスニング問題に例年と大きな変化はない。28点を占めるリスニング問題で確実に得点することが高得点につながる。

大問2

大問2は昨年同様に、基本的な語彙や表現を試す空欄補充問題に加え、問3では条件英作文が出題された。例年どおり、曜日などの基本単語が出題された。曜日、月、数字などの日常的によく使う英単語に関しては、必ず書けるようにしておくことが重要である。問2ではThere is/are構文を使った問題が出題された。問3の条件英作文では、like toという不定詞の基本的な表現を用いた文と、語群から1語を使用して英文を書く必要があり、ここでも正しい文法知識と語彙力を必要とした。

大問3

大問3は「割り箸の話題から始まる森林保護」についてのエッセイ。注釈はあるものの使われている単語の難度が高い。また複雑な文法を使用するため一文が長く、限られた時間内で理解するのは非常に難しい。問4は大問2同様、「by ~ing」で表した方法を「主語+動詞の過去形」で答えさせる形式。内容を追いつつ、英語での適切な表現方法の理解が問われる問題であるが、英検準2級・2級の二次試験で出題される形式と同様のため英語検定を受験している生徒には慣れた問題。問5は2語を補充して要約文を完成させる問題で、例年は3問の出題であったが、令和7年度入試では1問の出題だった。そのかわりに問6の内容一致の問題では、本文全体を読んだうえで6つの選択肢から正解を選ぶことができる読解力が求められた。解答になる選択肢の数がわからないので、時間がかかってしまった受検生も多いのではないだろうか。

大問4

大問4は昨年同様に【学校選択問題の大問2】と同じ内容の会話文。例年通り4つの短い文章に続くそれぞれの設問に答える形式。「LRT(次世代型路面電車)」などの公共交通機関に関する内容で、特に難度の高い設問があるわけではないが、不定詞や間接疑問文などの文法知識に関する問題や内容理解に関する問題が出題され、総合的な英語力が求められた。問4の語句整序は間接疑問文が出題された。疑問詞の後が平叙文の語順になることが理解できているかが問われた。

大問5

大問5は短い英文を読み2つの設問に答え、さらに英作文をする形式。「図書館が漫画をおくべきか」というテーマ。身近な話題のため、英検3級や準2級でライティングの練習を経験している生徒にとっては書きやすい内容だった。

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