前回から1年ほど間隔が空いてしまいました。。。お久しぶりです、井口です。
2023年度の中学受験が終了しました。中学受験をするという選択肢は、もはや首都圏では一般的な流れになりつつあります。新設された学校は勿論のこと、今までそれほど受験倍率の高くなかったいわゆる中堅校で受験者数が増えている、という印象です。1月の埼玉県内入試や2月初旬の都内入試は、朝の早い時間から、駅で小学生と保護者さんが電車に乗り込んでいる姿などをたくさん見ました。ほとんどの子がまさに『戦闘モード』でした。
中学受験を経験したお子さんは、こんなに小さい頃から、大人でもなかなか経験できないことをたくさん経験しています。勉強する(勉強だけでも相当の内容や量をこなしている)ために計画を立て、実行し、その計画がうまくいかなければどうやって修正しようかと改善し、テストが終われば反省し、次のテストに活かすためにどうするか、また計画を立て直す。この繰り返しですね。大人の世界では、PDCA(計画→実行→評価→改善)など、なんとなく当たり前に行っていますが、【大人になってから】と【子供のときから】では、後者の方が明らかに大変なのはお分かりいただけると思います。しかし、子供のときからのこうした経験は、大人になってからより良いものとして残るはずです。当然、子供一人ですべてを行うことは難しいので、大人・保護者の助けは必要ではあります。しかし「昔こんな経験をしたなぁ」が将来大きな意味を持つことになります。それを裏付ける出来事がありました。
今年の1月9日、成人の日でしたが、入試直前ということで6年生の直前対策授業を行っていました。その時、突然校舎に見知らぬ若い男の人が来校。すぐに彼の口から「お久しぶりです、〇〇です」という声が。彼は8年前の卒業生でした。そしてこの日に20歳の成人を迎え、式典の前に校舎に立ち寄ってくれたのです。しかも来てくれたのは1人ではなく、5人の男子と3人の女子の合計8名でした。記念に写真を撮ったり、色々な話を聞いたりしている中で、それぞれの道で本当に頑張って活躍しているんだなぁと胸が熱くなりました。そして彼らの話の中で印象的だったのが「中学受験をして良かった」「あの経験が今も活かされている」という言葉でした。1人1人が自信と誇りをもって、自分の将来の夢に向かって今も努力を続ける姿が見られました。
思うような結果にならなかった人もいると思います。たかが1問、されど1問で大きく結果を左右した人もいるでしょう。しかし、ここまでに積み上げてきた経験は、確実に今後の自分を形成する大事な部分として残っています。やってきたことは間違っていません。中学受験はゴールではありません。むしろここから次のステップに進むための通過点に過ぎません。
受験が終わった後の2月・3月をどう過ごしているでしょうか。4月からまた新しい環境で、新しい戦いが始まります。学校から課題が出ないから、ここまでいっぱい勉強したから…などの考えで今の時間をのんびり過ごしていると、中学生になってからだいぶ遅れをとってしまいますよ。ほとんどの方にとって次の強敵は、英語です。今から少し英語に力を注いでみるのはおススメです。
新年度の2月から新しく中学受験の勉強を始められた方、中学受験を始めるかお悩みの方、正直に申し上げるとこれからたくさんの困難や壁に当たると思います。しかし、それは次へ進むためのステップに過ぎません。このステップを乗り越えない限り、成長はあり得ません。失敗したと思ったら『次のためにどうしていこうか』という前向きな考え方に変えていきましょう。
「なんでできないの?」でなく、「こうしてみようか?」と捉える姿勢
「できなかった」は、「どうしたらできるようになるだろう」と前向きに考える姿勢
これが出来たら成長したと言えるでしょう。中学受験はけっして『志望校に合格するため』だけのものではないと思っています。人間として、これからの社会を担う1人の人として、大きく成長できるきっかけの1つになります。将来のために今しかできないチャンスを検討してみてはいかがでしょうか?
さて、昨年の受験生も輝かしい実績を残して新しい道へ旅立ちました。今年の6年生たちも1年後にどのような結果になるのか。日々の成長を見守りながら、また新しい1年、彼らとともに私自身も大きな経験をさせてもらいたいと思います。