令和7年度 千葉県公立高校入試【総括】

令和7年度 千葉県公立高校入試【総括】
志願状況(昨年度)
- 県立船橋高校 1.72(1.91)
- 東葛飾高校 1.96(1.85)
- 小金高校 1.58(1.61)
- 県立柏高校 1.25(1.26)
- 柏南高校 1.54(1.51)
- 柏中央高校 1.34(1.31)
- 柏の葉高校 1.39(1.46)
- 流山おおたかの森高校 1.34(1.23)
問題の傾向
国語
今年度は以下2点の変化が見られました。それにより、例年に比べ時間に余裕をもって解答できた生徒が多かったと思われます。
まず、聞き取り検査が昨年の4問から3問に減少し、放送の内容もコンパクトになりました。なお、令和9年度入学者選抜からは、聞き取り検査を実施しないことが県教育委員会から発表されています。
次に、文章題(説明的文章・文学的文章・古典)から「本文を書き抜く問題」と「10字程度の短い記述問題」がなくなり、選択肢問題に置き換わりました。そのため、本文のテーマを押さえ、本文と選択肢をしっかりと照らし合わせて解答できたかが、高得点へのカギとなりました。
数学
問題構成は大問が4つで、昨年度と同じでした。
大問1は小問集合で、昨年と同じく配点は51点でした。基本的な問題が多いため、ミスなく正確に解答できるかが重要です。
大問2は関数の問題で、配点は15点でした。放物線・双曲線と図形が関連する問題でした。(1)、(2)は比例定数や三角形の面積を求める基本的な問題で、確実に正解したいところです。(3)は、平行四辺形の性質を用いて双曲線の比例定数を求める問題。(2)の結果を使って考えると解きやすくはなりますが、難しい問題でした。
大問3は平面図形の問題で、配点は16点でした。(2)の相似の証明では、二等辺三角形の性質を利用することで記述が簡潔になります。(3)は三角形の面積を求める問題。三平方の定理、相似比と面積比の関係を用いるものです。計算量が多くなってしまうため、時間に注意をして解く必要がありました。
大問4は平面図形と空間図形の問題で、配点は18点でした。会話文の形式になっており、文中や図から情報を正確に読み取って解き進める問題でした。(3)までは基本的な問題でしたが、(4)以降は最小公倍数などを用いるもの。会話文の情報を整理し解き進めていく、難しい問題でした。
入試対策は、基礎的・基本的な知識を身に付け、会話文や図から情報を正確に読み取り表現する練習をしておきましょう。
英語
問題構成は大問1~9までで、昨年度と同じでした。大問1~4はリスニング問題、大問5は文法問題、大問6は条件英作文、大問7~9は読解問題でした。
大問5の(2)では、「wear」を過去分詞形の「worn」にする問題が出題されました。いろいろな不規則動詞の変化形を書けるようにしておく必要があります。(3)では仮定法過去、(4)では、「たとえば~など」と具体例を挙げる時に使う表現の「such as」を含む並べ替え問題、そして(5)では第5文型を用いた不定詞・副詞的用法など、語彙力だけでなく、幅広い文法知識を必要とする問題でした。
大問6の条件英作文は、昨年同様イラストを参考に10語程度の英文を書く問題で、状況別に2題出題されました。新たな条件として、それぞれ2文以内で書くことが追加されました。(1)は親子の会話で、宿題を行っていない子どもに対して、父親が注意をする文、(2)は図書館利用者がスタッフに本を取ってもらうようお願いする文を書く問題でした。
大問7~9は例年通り長文読解が出題されました。大問7(1)-①では、プレゼンテーションで使用したスライドを使用順に並べ替える問題が出題され、論理的に考える力が試されました。大問8(3)は関係代名詞「that」の後に続く文を書く問題で、正しい文法力と読解力が求められました。大問9は対話文読解でした。空欄の前後をしっかりと読み、想像力を働かせて読み進めることが重要です。
高得点を取るためには、「聞く」、「話す」、「読む」、「書く」の4技能をバランスよく鍛える必要があります。中でもリスニング技能の習得には時間がかかりますので、早めの対策が大事です。教科書の音声データを利用して、毎日「音読練習」することが効果的です。リスニング問題は配点が27点と高いため、しっかりと準備して高得点を目指しましょう。
理科
問題の構成に大きな変化はなく、大問1は小問集合、大問2から大問9は物理・化学・地学・生物の各分野からバランスよく出題されていました。また、昨年度は2問であったグラフや作図の問題が3問出題されました。
大問2は動物の分類の問題でした。(4)では問題文の条件をもとに,適切な順序で情報を整理し、解答をしていく問題でした。
大問3は光の進み方の問題でした。(4)は液面と光の道筋を作図する問題で、図に表記されている屈折後の光の進み方を基準とし、異なる液面で利用していく、難度の高い問題でした。
大問5は身近にあるみりんを使ったエタノールと水の蒸留に関する問題でした。(2)では、毎年出題されている実験器具の操作に関する出題がありました。
大問6は太陽の動きに関する問題でした。(4)は光電池のパネルの適切な設置角度を求める問題で、夏至の日の南中高度を求めてから設置角度を考えるという思考力が問われました。この問題は図をかいて整理することで、解きやすくなる問題でした。
実験・観察における操作や結果・考察を正しく理解し、問題文にある情報を正確にとらえ、使いこなす練習をしておきましょう。
社会
今年度は、「完答」の問題が、昨年の6問から10問に増加しました。これは全体の設問数の約3分の1で、配点は合計で31点分でした。
大問1(4)総合問題。「生成AIを利用する際の注意事項」について問われました。世の中の動きに関心を持ち、日頃からニュースを確認するよう心掛けましょう。
大問2(4)地理の問題。地形図と防災マップ(ハザードマップ)を組み合わせた問題でした。日本の自然環境と防災は近年、高校入試のみならず、中学入試・大学入試でも頻出のテーマとなっています。
大問5(2)歴史の問題。ガンディーがヒトラーに宛てた手紙の内容に沿った問題でした。出題形式は目新しいものですが、問われている知識は基本的なものです。資料から解答の手がかりを探す練習を積み重ねておきましょう。
大問7(2)公民の問題。地方裁判所の説明を選ぶ問題でした。単に用語を暗記するだけの学習で終わらせずに、その意味や関連する内容まで意識して確認するようにしましょう。
全体的に、問われている内容の一つひとつは基本的な内容です。増加している完答の問題に対応するために、関連した内容をまとめて覚える勉強が効果的と言えます。また、昨年度の入試に比べ、表やグラフなどの資料、メモなどの短文が40から47に増加しています。資料の内容を素早く読み取る力が必要になります。
入試に向けたサイエイスクールの取り組み
①合否を分ける理科・社会!
理科
プロジェクターを使い実験動画を見て解説を聞くことで理解を深め、その後の問題演習によって、短時間で効率良く勉強できる!
結果、記憶に残る!
社会
計2000問の徹底反復。1学期中に中1・2の地理・歴史をしっかり復習。
②1学期に完成させるべき科目→英語・国語
英語
スラッシュリーディング、ディクテーション、ペアワークで読解力強化。授業+英検チャレンジで早期完成。
国語
読解復習ノートで語彙力・要約力UP。一文一文の精読で論理的思考力を鍛える。
③夏までに全単元を学習し基礎力を定着 → 入試実践力強化を重視する数学
数学
一人ひとりに対する添削指導で、証明や説明などの記述力もアップ!
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春期講習会3/26(水)からスタート!
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サイエイスクールおおたかの森校 TEL 04-7156-8585