2019度 埼玉県公立高校入試問題の分析

2019度 埼玉県公立高校入試問題の分析

2017年度 埼玉県公立高校入試問題の分析

国語 高見沢講師

さまざまな分野の文章に触れる

高見沢講師

大問数や出題形式は例年どおりであった。新傾向として、大問2の問4で、新聞記事をもとにした対話形式の問題が出題されたが、他県ではすでに見られるものであった。

大問1は小説の読解。野球部の応援を吹奏楽部に依頼する「立石大河」と、吹奏楽部の「不破瑛太郎」のやりとりを丁寧に追う。特に、「不破瑛太郎」の熱意に動かされていく他の人物たちの心情の変化に注目することが重要である。

問1は、傍線①の理由を問う問題。前後に「匿って!」、「練習をサボって……ばれた」という内容があるので、これらをもとに選ぶ。

問2は、傍線②「仏頂面」をしている「不破」の様子を答える。直前の「げっ、森崎さんだ」という言葉や「仏頂面」という語の意味(不機嫌な顔)をもとに選ぶ。

問3は、傍線③のときの「大河」の様子を記述する。設問の空欄前後の語句も参考に、本文から該当する箇所を探す。すると、傍線直後に、カメラが自分に向けられていることや、緊張していることなどが書かれているので、これらを材料に、空欄に合うようにまとめる。

問4は、傍線④からわかる「宮地」の心情の変化を記述する。傍線部の「憤った声」が、あとには「やってやるよ」という気持ちに変化しているので、これを空欄に合うようにまとめればよい。

問5は、本文の表現について「適切でないもの」を選ぶことに注意。エの「回想の場面」は、本文にはない。

大問2は知識事項。漢字の読み書き、助動詞の用法、四字熟語が問われた。問4が新傾向だったが、文脈を問う基本的な問題であった。

大問3は論説文。「マナー」についての筆者の考えや主張を押さえながら読む。

問1は、傍線①「それで気苦労は増える」の理由を選ぶ問題。「それで」という指示語があるので、直前の「他のひとにあわせなければならない」をもとに選べばよい。

問2は、傍線②「マナー」についての「筆者」の考えを記述する問題。設問の空欄前に「マナーにおいて大切なことは」とあるので、筆者がマナーについて重要だと考えている内容を探してまとめる。

問3は、傍線③の内容に「あてはまらないもの」を選ぶ。エの「非難され」の部分が、本文の「非難したりしなかったり」の表現と合わない。

問4は、本文中の空欄を埋める問題。空欄の直前に「そこには」という指示語があるので、直前の内容をもとに選ぶ。

問5は、「ルール」について、扱いにくい理由を答える記述問題。設問の空欄前後の言葉や、指定語句の「解釈」、「二重化」という語句もたよりに、該当箇所を本文から探していく。あとは、ルールを厳密にした場合と曖昧にした場合で、それぞれどのような事態になるかをまとめていけばよい。

大問4は古文の読解。歴史的仮名遣い、人物、指示語、内容理解について問われた。主語を意識し、口語訳や注も参考に読み進めたい。

大問5は作文。「読書量」についての小学生、中学生、高校生への調査資料をもとに、自分の考えや体験を書くこと。

近年の論説文では、文化論や芸術論など、抽象度が高い内容の出題が多くなってきている。日頃からさまざまな分野の文章に触れて、理解力や語彙力を高めていきたい。

数学(学力検査問題) 近藤講師

時間配分が合否のポイント!


近藤講師

大問数、設問数とも大きな変化はなかったが、作図問題を含む記述力を問う問題が24点で昨年度より5点増えた。

【大問1】 計算問題・小問 12問

基本的な計算問題。素早く正確に処理し(1)~(10)は確実に得点したいところ。(9) (11)は学校選択問題との共通問題。

【大問2】 標本調査・体積・作図・証明・ 4問

(1)(3)は学校選択問題との共通問題。

(2)は三角錐の体積を求める問題。相似を使って高さを求めればよい。

(4)は四角形が平行四辺形になることの証明で「平行四辺形の性質」や「平行四辺形になるための条件」などをしっかりと理解し、平行四辺形の証明は型にはまった書き方がなく書きづらい部分があるので、充分な練習をしておく必要がある。

【大問3】関数 2問 学校選択問題との共通問題

【大問4】平面図形 3問 学校選択問題との共通問題

【大問1】で100点満点中の約半分51点を占める。ここでいかに点数を落とさないかが重要である。

数学(学校選択問題) 近藤講師

時間配分が合否のポイント!


近藤講師

大問数、設問数とも大きな変化はなかったが、作図問題を含む記述力を問う問題が30点で昨年度より11点増えた。20問中11問が学力検査問題との共通問題で全問題の半数以上を占めた。

【大問1】 計算問題・小問 10問

やや複雑な計算問題。(4)は「約束記号」の問題で記号の意味が掴めれば、さほど難しくはない。(6)は2乗に比例する関数の特徴についての問題で学力検査問題と内容は共通であるが「正しいものをすべて選ぶ」ということに注意する。(8)の問題は目新しいものではないが問題文から自分で状況を整理し、途中の説明を書いて答える問題で時間がかかったと思われる。xとyの関係を式で表し、その式を満たす自然数を見つければよい。

【大問2】 作図・場合の数 2問

(1)の作図は105°を45°と60°に分けて考えられるかがポイント。(2)は場合の数の問題。考えられるパターンが多く整理して順序よく数えられたかがカギ。

【大問3】 関数 2問

(1)は基本的な面積の問題なので確実に得点したい。(2)三角形の面積比の関係から直線の傾きを求める問題であった。AC:CB=4:1に気づき点Bのx座標を文字で表し相似を使って解く問題であるが、放物線上の2点を通る直線の式y=a(p+q)x-apqの公式を用いれば簡単に解ける。

【大問4】 平面図形 3問

(1)△ABPが1:2:ルート3 の直角三角形に気づけば簡単に解ける。

(2)の①の説明は△OBPが正三角形であることと△PBMが1:2:ルート3 の直角三角形であることを利用し、線分BQが線分OPの垂直二等分線になることを導けばよいが、型にはまった書き方があるわけではないのでどのように書いたらよいか戸惑った生徒も多かったと思われる。

②はOとQを結び△OQRを△PBRに移して求められることに気づくかどうか。これに気づかないと計算が煩雑になりかなりの手間を要する。このようにある図形を別のところに移して解く問題が過去何度か出題されている。

【大問5】 空間図形 3問

(1)の証明は基本的な問題。確実に得点したい。(2)の②は難問。立体の表面上の最短距離と体積を絡めた問題で手間がかかる問題である。最短距離の問題は昨年度も出題されている。

立体の問題はイメージが掴みにくいので、あらゆる角度から立体を見て考えることが必要である。

【大問1】の計算問題から手間のかかる問題が多いため、時間配分がポイントになったであろう。

社会 山口講師

知識量ではなく知識活用術が高得点のカギ


山口講師

地理分野では、過去の問題と比較してみても新しい形式の問題は見当たらなかった。しかし、問題は良問であった。世界地理大問1問4のオーストラリアの輸出総額に占める輸出品の変化と輸出入総額に占める貿易相手国の割合の変化を問う問題は、昨今の中国の経済発展と環太平洋内での貿易の推進に関連した問題であり世相を反映している問題であった。

日本地理分野では、西日本を中心に大きく日本をみた地図から九州、中国四国地方を中心に問題が出題された。
大問2問3の沖縄県、鹿児島県、大分県、鳥取県のグラフ判別問題では、人口や工業出荷額からの判別は難しいので農業産出物の種別から、鹿児島県が畜産で有名なことを考えればよいのである。

歴史分野では昨年と比較すると歴史地理の問題が大問4に移動したぐらいで大きな変化はなかった。毎年のことではあるが、知識の活用が重要である。日本史と世界史のぶつかる部分や文化の特徴と作品・建物の写真の組み合わせなど、ただ知っているではなく使いこなせるかが高得点のカギである。大問3問2の平安時代の日本と世界の歴史の正誤問題では、唐の滅亡と宋の成立が同時代の内容である。教科書では日宋貿易の語句がなくなり「宋の国と貿易」とあり、なんとなくでは見落としてしまうことも考えられる。また、大問4問4の歴史地理では盧溝橋の場所が問われたが、文中にある「北京郊外」をヒントに探せば、黄河の流域であることがわかり位置が判別できる。

公民分野では、大問5問3の刑事裁判についての模擬裁判から台詞をもとに役割ABCの三人を推測する問題が出された。まず、裁判の開始を宣告するのが裁判官となり、起訴状を読むのは起訴した検察官であることがわかれば役割は決まる。被疑者を起訴するのが検察官であり、起訴された被疑者は被告人となるところを注意する必要がある。

大問6では三分野総合の問題であった。問題形式は、歴史の並び替え問題やヨーロッパの高齢化に伴う社会保障費の増大を記述させるなどであった。歴史の並び替え問題は1題に削減された。

社会で高得点を得るためには、基本となる知識を身につけるのは当然のこと。次にその知識を生かした説明文が記述できるかである。注意してほしいのは、「ワーク演習」や「一問一答」などの知識を軽んじているわけではない。まずその知識があってこその活用である。常に教科書を意識し太字の語句が使われている一文だけでなくその前後に書かれている理由やその後の変化が書かれている文にも着目しただの語句の暗記にならないように勉強をすすめよう。

理科 長谷川講師

考えを説明する力が重要


長谷川講師

今年度の入試問題は、昨年度までの形式と比べて変更点があった。

①文章量が大幅に増加

大問1つに実験が2~3つあり、ボリュームが増し、文章の量が大幅に増加した。例年とは違う形式となり、テスト時間が足りないと感じた受験生も多かったのではないか。

②ページ数が増加

問題形式の変更にともない、例年の10ページから14ページに増加した。

③文章で説明する問題が復活し、選択問題が減少

平成30年度入試ではなくなっていた「計算の過程や考え方を書く」問題が復活した。自分の考えを、「文章にして」「わかりやすく説明できる」かが問われた。今後、大学受験や社会に出た時に、重要視される力である。大問4の問4は、「図を使って説明してもよい」という問題となっており、図示する力も試されている。

また、文章で説明する問題が増えて、選択問題が減ったので、難易度は高くなったと思われる。

出題傾向としては、大問1の小問8つと大問2~5の単元を合わせると、中学3年間で学習したほぼすべての単元が出題されている。どこかに絞って学習するのではなく、教科書の範囲をしっかりと学習しているかが問われている。

大問1

一問一答形式。様々な単元から8問出題されている。問8は、単位に関する問題。正しいものを選ぶ問題。選択肢の中に、シーベルト(Sv)に関するものがあった。3年連続で放射線に関する問題が出題されている。普段から、新聞などに目を通し、世の中の出来事に関心を持つ必要がある。

大問2

火山と火山噴出物に関する問題。問2は、日本の火山の多くは、火山灰が火山の東側に堆積する特徴があることから、西から東に吹く風=偏西風について記述できればよい。

問1の「かぎ層」は、教科書によっては、注釈のところに記載されているのみの用語である。また、問4では鉱物の名称、問5ではマグマの性質と火山の名称を答える問題があり、教科書の内容を細かいところまで覚えておく必要がある。

大問3

生物どうしのつながりに関する問題。問4と問5は、実験・観察から得られた結果の理由を答える問題。分解者の役割が理解できているかが問われた。

この単元は、中3で学習するので、練習量が不足していた受験生もいるのではないか。中3の後半で学習する単元についても、十分な練習を積んでおく必要がある。

大問4

化学変化と質量に関する問題。実験結果について、先生と生徒が実験結果についてのやりとりをしながら問題が進んでいく形式で、この形は初めてだった。問4は、水の電気分解の結果から、水素原子と酸素原子の質量比を求める問題。この問題は、「図を使って説明してもよい」となっている。

となり、質量比は、水素原子1個:酸素原子1個=0.001÷4:0.008÷2=1:16

問6は、自分の考えを確かめるために、どのような実験をすればよいのかを記述する問題。

大問5

浮力とフックの法則に関する問題。1年生で学習した2つの単元を融合した問題である。ばねののびは、物体がばねを引く力を示している。水に沈めたとき、ばねが縮んだ分が浮力である。

問3は、立方体Aと直方体Bは水に沈み、立方体Cは浮くので、Cの密度が一番小さい。表2よりAとBは空気中でのばねののびが2倍になっているので、Bの質量はAの質量の2倍であるとわかる。図2より、Bの体積はAの体積の2倍である。質量と体積の関係からAとBの密度は等しい。実際に密度を計算することなく、実験結果から読み取ることができる。

問5は、立方体Cをつるすと、ばねは0.6cm伸びる。これが、水に沈めるとのびがなくなることから、ばねが0.6cm縮むことがわかる。ばねは、1cm沈めると、ばねが0.4cm縮むので、立方体Cがxcm沈んだとすると、1:04=x:0.6となり、x=1.5cm沈んだことになる。よって、立方体Cが水に沈んだ体積は、6cm3となる。

例年の問題よりも、実験・観察の結果から導き出せることを記述させる問題が多くなった。教科書の実験・観察をしっかりと学習しておくのはもちろんだが、表やグラフから数値を読み取って記述する力や実験結果から理由を考察する力が求められている。

英語(学力検査問題) 濱田講師

速く正確に英文を理解できるかがカギ


濱田講師

文章題の英単語数が2018年度入試では約1,400語に増え、2019年度でもほぼ同程度の単語による英語で構成された。内容が豊富であることから、英文の意味を速く、正確に理解することが高得点を取るポイントとなった。問題数は例年通り。

大問1はNo.6を除いて【学力検査問題】と同一のリスニング問題。昨年度まで日本語だった小問ごとの指示も今年度よりすべて英語となり、面食らった生徒もいたのではないか。絵・グラフ・地図から英文に合う内容を選ぶ問題、ある場面を想定した応答問題は例年通り。No.6のまとまった英文を聞き、英語のメモに対し英語で答えるのは2年連続の出題で難易度が高い。

大問2は【学力検査問題の大問4】と同一の高齢者の働き方についての対話文とスピーチ。4つの短い文章の後に1~2個の設問、加えて全体からの出題という形式はほぼ昨年通り。1問あたりに読む語数が多く時間がかかった生徒もいたのではないか。4の問5の整序問題は、間接疑問文とwhat ~ be likeの複数の文法を組み合わせた問題。

大問3は「海の環境破壊」に関する高校生が書いた長文。3年連続環境問題がテーマで、約730語と昨年度と同様に非常に長かった。内容が豊富で、surround、disappearなどにも注釈がないため主張は分かりやすいがやや読みにくい。読むスピード、理解するスピード、処理スピード全てが求められた。また、文法知識を広く問う問題が出題され、問1の接続詞のthat、by ~ingを使った並べかえ、問2Aのbe covered with ~、問5の不定詞の副詞的用法、問6(1)受動態、(2)関係代名詞、(3)5文型の不定詞など、文章の内容を理解し、文中とは異なる文法を使用して答えさせる問題が目立った。中でも、問5の一文の中で複数の文法を絡めた問題は正確な読解力を試す問題だった。

大問4は、「情報リテラシーを小学生が学校で習い始めるべき」という意見に対し、賛成か反対かとその理由を書く条件英作文。教科を横断した社会性のある話題だが、英検のライティングなど、様々なテーマで練習をしていた生徒は十分対応できたのではないか。

英語(学校選択問題) 濱田講師

速く正確に英文を理解できるかがカギ


濱田講師

2019年度入試の文章題は、昨年度使用された英単語数約1,100語とほぼ同単語数で構成されたため、昨年同様、英文の意味を速く正確に理解することが高得点を取るポイントとなった。問題数、配点もほぼ昨年通り。

大問1はリスニング問題。昨年度まで日本語だった小問ごとの指示も今年度よりすべて英語となり、面食らった生徒もいたのではないか。絵・グラフ・地図から英文に合う内容を選ぶ問題、ある場面を想定した応答問題は例年通り。No.6のまとまった英文を聞き、英語のメモに対し答える問題は2年連続の出題。英語で書かなければならないため難易度が高い。

大問2は日本語のメモを参考に英単語を書かせる問題。中1・2で習う、月・曜日・動物など身の回りにあるものを英語で書けるように準備しておけば対応できた。

大問3は、外国から来た人々を助けることについて考える中学生のコウタの話。受動態、不定詞を始めとした文法理解と、学校生活など身の回りの日常的な状況での英語が理解できるかを試した。英語の質問に英語で答える問題、日本語の質問に日本語で答える問題など例年通りの出題。過去問で練習しておけば対応できた。
大問4は高齢者の働き方についての対話文とスピーチ。4つの短い文章の後に1~2個の設問、加えて全体からの出題という形式はほぼ昨年通り。1問あたりに読む語数が多く時間がかかった生徒もいたのではないか。4の問5の整序問題は、間接疑問文とwhat ~ be likeの複数の文法を組み合わせた問題。

大問5は、英語を学ぶための最も良い方法に対する考えを、I think ~.に続けて1文、2文目以降は自由に4文以上書く問題。例年通りの出題で、英検3級のライティングなど、様々なテーマで練習をしていた生徒は十分対応できた問題。

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